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ピアノアレンジ講座  
Vol.32   
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32. 移調と転調

今週は転調について説明したいと思います。

楽曲が進行の途中において他の調に移行
することを転調と言います。
転調の記譜の方法は2種類あります。
調号はかえずに臨時記号によって処理する
場合と調号を変更する場合です。これは、
転調というのは、一時的に他調に移る場合
と、楽曲の中でかなりな長さを持つ別な調
で構成される場合があるからです。

では、転調させる方法はどうしたら良いか?
なのですが。
ここから先は、和声学の世界になります。
以前に、転調について説明してほしいとの
メールを頂きましたので、あえて説明させ
て頂きます。

クラシック理論において、転調させる方法
は、基本的な方法として2種類あります。
共通和音を使用する方法と、借用和音を使
用する方法です。(簡単に説明します。)
例えば、G Majorから平行調のE Minorに
転調させたい場合。
G Major及びE Minorのスケール上に構成さ
れる和音は↓このようになります。
(和音の説明は来週します。)



↑このように平行調の場合は調号が同じ訳
ですから、スケール上に構成される和音も
E MinorのV、Vllにあたる和音以外は全て
共通します。(短調の場合、和声短音階を
用います。ですので、導音が半音上がると
いう特徴があります。)

借用和音というのは、 他の調の和音を一時
的に借用することなのですが。
”ドッペルドミナント”について説明したい
と思います。
”ドッペルドミナント”というのは属調の
V度の事で、という書き方をします。
そして、このドッペルドミナントは常に
ドミナントに進行します。

簡単な曲を作ってみましたので、参考にし
てみて下さい。この曲のKeyはGです。
G Major →E Minor →C Major →G Majorに
転調しています。大文字はMajor(長調)。
小文字はMinor(短調)です。

音を聴いてみる。

7小節目にドッペルドミナントを使用して
います。5、6小節のKeyはCです。
8小節の4拍目からGになります。7小節目
には、Gの属調のV7の和音”ラ#ドミソ”
が使われています。そして、このドッペル
ドミナントはドミナント
(GのV”レ#ファラ”)へ進行します。
注:ドミナントはVでもV7でも転回等も可です。
(トニック、サブドミナント、ドミナント等
の説明は来週以降します。)
2、4小節には、共通和音が使われています。
例えば、2小節目の”ドミソ”は、Gにおい
てはlVの和音ですが、次のEmにおいてはVl
の和音となります。

上記はちょっと難しいかもしれません。
すごく簡単で、効果的な方法を1つ紹介し
ます。これは、よく使われています。
Codaの部分を半音上げるという手です。
私のオリジナル曲を例にとるのも何なので
すが、 著作権の問題がありますので御容
赦下さい。 「Adam&Eve」という曲です。
KeyはAmです。Codaの部分をBbmに転調
しています。

転調の部分を聴いてみる。    
曲全体を聴いてみる。
(MP3 128Kbps音源です。)Play 

この曲は、ピアノソロの曲ですのでバスラ
インをつなぎましたが、バンドのアレンジ
の場合、ブレイクして、いきなり転調も効
果的で、よく使われていると思います。
これは、簡単に応用出来ると思いますので
試してみて下さい。

*一昨日から公開しました
The Last Emperor(ラストエンペラー)ピアノソロ用楽譜
曲中で何度も転調しています。


You tubeの表示エラーがある場合は、こちらから
ご覧下さい。

坂本龍一全盛期の作品と思います。
素晴らしいです。
1週間で、採譜、アレンジ、浄書、デモ演奏の
ペースで制作しています。You tubeデモ演奏は
少しキズがあります。ご容赦下さい。
このペースで、このレベルの曲も完璧に弾きたいです。

来週は、転調している曲の調判定の
問題掲載をしたいと思います。

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発行人:市花真弓
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